夫に証拠を突きつけた、その夜から──
「音の暴力」が始まりました。
寝室から、ドン!ドン! と響く大きな音。
何かを蹴っているのか、叩いているのかはわかりません。
きっと「調べられていたこと」への怒りを抑えきれなかったのでしょう。
ドアの開け閉めの大きな音、キッチンの扉を乱暴に閉める音。
その一つひとつが怒りをぶつける音になっていました。
バン!
そのたびに私は恐怖に包まれました。
もしその矛先が私に向かったら──。
力では絶対にかなわない。
そう思うと呼吸が乱れ、心臓や胃まで痛くなりました。
その夜だけでなく、翌日も、そのまた翌日も。
夫は毎日外でも家でもお酒を飲みますが、外で大量に飲んできた日には、その「音の暴力」はさらに激しさを増しました。
下の階の住人にも響いているはずなのに、そんなことは気にも留めない様子。
怖くて、怖くて。
夫が帰ってくること自体がストレスとなり、帰宅時間が近づくと胸が締めつけられるほど心臓が痛みました。
この態度からも、夫が自分の行いを反省していないことは明らかです。
そこにあるのは、ただ「私への怒り」と「バレた悔しさ」だけ。
──なぜ私が、こんな恐怖を味わわなければならないのか。
ただでさえ裏切りで心が壊れているのに、どうしてさらに傷を深めるようなことをするのか。
夫は、私にとって「尊敬できる人」から完全に墜ちていきました。
今はもう、軽蔑の感情しかありません。
あれから数ヶ月。
音の暴力は、洗濯物を取り込むときなどに時折あらわれますが、以前のような激しさはなくなりました。
それでも──。
「また始まるのではないか」という不安は消えず、毎日その恐怖とともに過ごしています。
「音の暴力」についてはこの記事でも書いています↓
▶ 前回の記事をまだ読んでいない方はこちら →Xデー⑧母との電話のあとにあふれた涙
▶ 続きはこちら →Xデー⑩「慰謝料」のこと
※これまでの夫の裏切りの経緯は、裏切りの年表で時系列で確認できます。
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