数日後、週末のことでした。
夫は朝早くにゴルフへ出かけ、帰ってきたのは夕方17時前。
いつものように、帰宅するとすぐに部屋着に着替えました。
そのとき、夕飯の準備をしていた私の隣に夫が立った瞬間——
強烈な違和感が走りました。
夫がいつもつけている香水の匂いが、今日は異様にきつかったのです。
不自然に思った私は、洗濯機に入っていた夫の着替えにそっと手を伸ばし、
下着の匂いを嗅ぎました。
すると、
あの甘ったるい、ラブホテル独特の香りが…
夫の香水とは全く違う匂い。
私は確信しました。
「ゴルフの帰りに、女とホテルに行ってきたんだ」
すぐに車へ向かい、ダッシュボードを開け、例の“薬”を確認。
昨日まであったはずの薬が、一錠減っていました。
もう、疑う余地はありませんでした。
「朝早く行ったのに、帰りが遅かったね?どこか行ってきたの?」
そう聞くと、夫は
「ゴルフ場でちょっと話し込んでてさ。だから遅くなった」
と、何事もない顔で答えました。
あまりにも平然と、こんな嘘をつけるんだ…
その瞬間、悔しさと怒りが込み上げました。
台所で並んで立っていたとき、
匂いに気づいた“ふり”をして、わざとこう言いました。
「ねえ、今日なんか香水きつくない? ちょっとくさいよ!」
夫は無言。
私は必死でした。
このままでは何も残せない、何か証拠を…と考え、
洗濯機の中から一番匂いがきつかったパンツを取り出し、
ジップロックに入れてしっかり密封しました。
…今思えば、そんなものが証拠になるはずもありません。
でも、そのときは本気で必死だったんです。
その日の夕飯、私の前には、やっと口にできるほんの少しのおかずだけ。
それすらも無理やり食べました。
「ああ、きっと夫は、今までもこうやってゴルフの帰りに女と会ってたんだ」
そう思うと、
今まで何も疑わずに夕飯を作って待っていた自分が情けなく、悔しくて…
悲しさで胸がいっぱいになりました。
でも、夫の裏切りはまだほんの序章にすぎなかったのです。
この時のことは、後悔の一つとして
↓こちらの記事でも書いています。
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