不倫調査⑧〜密会現場に遭遇したい感情と戦う日々〜

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夫の裏切り

この調査が始まってからというもの、夫の裏切りの行動が次々と明るみに出てきました。

そのたびに、夫と相手の女性への怒り悲しみが心を占め、感情が抑えきれなくなる日々が続きました。

泣いても泣いても、心の奥底にたまった思いは癒えることがありませんでした。

「なんとかして証拠を増やしたい」

そんな気持ちが募る中で、探偵の調査が入っていない日には、私自身が動くようになっていきました。

夫と相手が行ったを自力で突き止め、そこに停めてある女の車を見つけては、写真を撮りました。

友人に協力してもらって、そのお店の窓越しから楽しそうな二人の様子をこっそり確認し、スマホで撮影することもありました。

そんなことを何度も繰り返すうちに、私は心の中でよく考えていました。

——いっそ、女との食事中に偶然を装ってお店に入っていこうか。


「あれ?今日は会社の接待じゃなかった?こちらの方は……?いつも夫がお世話になっております」

そう言ってみたら、夫はどんな顔をするだろう女はどんな反応をするだろう——

あるいは——


お店から出てきた二人が女の車に乗り込んだところで、私がその車の前に立ちはだかってみようか。


彼女にはこう言ってみよう。

「いつも送迎ありがとうございます。でも今日は送らなくて結構です」

そう言って夫を引きずり出してろうか——と。


また、調査が入っていない週末には、夫が別の女の部屋に行っているとわかれば、私一人で現場へ向かいました。

女のアパートの駐車場に停めてある夫の車を見つけては、写真を撮って帰ってきました。

そのときもまた、こんな考えが頭をよぎりました。

——女の部屋から二人で出てきたところを待ち構えていたらどうだろう。

——もし夫の車に私が先に乗っていたら、二人はどんな顔をするだろう。

——「ここでなにしてるの?今日は会社で仕事じゃなかったの?」

どんな言い訳が返ってくるのか、それを聞いてみたい——

そうした行動を本当に起こしてしまいたい衝動は、ずっと胸の奥にありました。

やらずにはいられない、そう思うこともありました。

けれど、理性がかろうじてそれを止めていました。

本当はやりたかった。許されるならやってやりたい。

でも、やってはいけない——そう言い聞かせながら、ただ耐えるしかなかったのです。

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