不倫調査⑨〜探偵に止められた一線〜

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夫の裏切り

調査が始まり、週末になると夫が“女の部屋”に通っていることが分かるようになってきた頃――

ある日、夫のことを相談していた友人と一緒に、その女の部屋を見に行きました

場所を確かめたかった、それだけです。

まさか本人に会うことになるなんて、思ってもいませんでした。

その日は平日の夕方。

「どうせまだ帰っていないだろう」と思っていたのですが、

現地に到着すると、女の車がすでに停まっていました

思わず

「え?家に居る?」と声を出してしまいました。

女の車が見える少し離れた場所で友人と話しをしていると、

なんと…

女が部屋から出てきて車に乗り込んだのです。

「どうする?追いかけてみようか?」

そう言って、友人がすぐに車を走らせてくれました。

彼女が誰なのか、どんな仕事をしているのか、まったく情報がない状態だったので、

何か少しでも掴めれば…という思いでした。

車の距離をあけながら、数分間だけ追いかけてみたところ、

彼女の車は、とある一軒家に入っていきました。

私たちはその場所表札だけを確認し、そのまま引き返しました。

でも――

これは探偵に、かなりきつく怒られました。

「もし相手に気づかれたら、調査が続行できなくなりますよ」

「今後、絶対に接触はしないでください」

そう、きっぱり言われたのです。


また、打ち合わせのとき、私はふと本音を漏らしました。

「いつか偶然を装って、二人の食事現場に乗り込みたい…」

そう話すと、探偵は私をなだめるように

「その気持ちは分かります。でも、それは絶対にやめてくださいね。」

そう答えました。

あとでネットで調べてみると、

密会現場に突撃した人の中には、感情が抑えられなくなり、

暴力沙汰になるケースもよくあるそうです。

自分は絶対大丈夫・・とは思いますが、いざとなったら分からないですよね。

だから私は、自分の心に何度もブレーキをかけました。

「証拠を確実に掴むまでは、絶対に接触はしない」

そう自分に言い聞かせ、耐えて、我慢して、ただ時間が過ぎていくのを見ていました。

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