私には、社会人になる子どもが二人います。
長男は結婚し、県外で暮らしています。
長女は就職とともに一人暮らしを始め、もうすぐ結婚する予定です。
夫の裏切りが分かり、調査をしていた時期には、すでに子どもたちは独立しており、
家には夫婦二人だけの生活でした。
そのため、夫の行動調査に専念することができました。
ただ、週末に子どもたちが帰省すると、夫の行動を見張ることができなくなるため、
「ちょっと忙しい」と理由をつけて、帰省を断ることもありました。
息子が帰ってくると、いつも通り私と話し、
リビングに来た夫とも自然に会話をします。
その様子を見ながら、何も知らないふりをして過ごす時間はとてもつらく、
同時に、現実を忘れていられる貴重な癒やしの時間でもありました。
娘と夫はちょうどその頃(今もですが)、
ある意見の相違で口をきかない関係になっていました。
そのため、娘が家に来るのは、夫が不在の時だけでした。
私は娘に、夫の不倫のことを話しました。
娘はとても驚き、私は話しているうちに胸が詰まり、涙があふれました。
悲しい思いをさせたくはありませんでしたが、
これからのことを考えると、きちんと伝えるべきだと思ったのです。
単なる「性格の不一致」にはしたくありませんでした。
そしてもうひとつ。
娘は結婚後、きっと私に子育ての協力を求めてくると思っていました。
私もそれを当然のように手伝うつもりでいました。
けれど、私はもう数年後この土地を離れ、実家に戻ることを決めたのです。
理由はいくつかあります。
経済的なこと、一人暮らしが難しくなってきた母のこと、
そして母がいなくなった後、実家が空き家になってしまうこと。
それらをすべて考えて「実家に戻る」という選択をしました。
ただ、そのことで娘の力になれなくなるのが、一番つらく、申し訳ないことでした。
だからこそ、娘には正直に話したかったのです。
娘はショックを受け、その夜は気持ちが落ち着かなかったようです。
でも後日、同じように両親が離婚している友人に話を聞いてもらい、
「学生の頃とは違って、今は社会人として働いているから、
もう大きな影響はないよ。」と言われたそうです。
そんな話ができる友人がいて、本当に良かったと思いました。
息子にはまだ話していません。
ただ、「いずれ実家に帰るつもり」とだけ伝えています。
離婚のことは察しているかもしれませんが、あえて聞いてきません。
息子の性格を考えると、今はそれでいいと思っています。
そしてこの春、娘の結婚式があります。
夫婦としての最後の仕事として、しっかりと務めたいと思っています。
▶ 前回の記事をまだ読んでいない方はこちら →Xデーその後:私の人生はこれから
※これまでの夫の裏切りの経緯は、裏切りの年表で時系列で確認できます。


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