夫の裏切りが発覚して離婚を決意した後、私は本当にたくさんのことを考えました。
離婚する時期、慰謝料を誰からどうやって取るのか、別居するか同居を続けるか、財産や年金のこと、離婚後の生活のこと……。
そして、夫と不倫相手に対してどう向き合うべきかまで。
自分の感情と現実的な生活の両方を見つめながら、“理想の離婚”を描こうと必死でした。
ここからの内容は、最初に私が考えていた内容です。随分と自分の”欲”が入っていますので、ご了承ください。
※あくまでも、なんの法の知識もない私が理想とする形の内容です。
離婚はいつするのか
私は「3年後に離婚する」と決めました。
その理由は、いくつかあります。
今離婚すると、夫が余裕の暮らし、私は切り詰め生活になる
夫の裏切りが発覚した昨年から、夫の給料が増えました。
子供も独立し、「これからは老後の資金をしっかり貯めながら、少しは自分の好きなことにもお金を使えるかな…」と考えていた矢先の出来事です。
もし今すぐ離婚したら——
例えば夫が不倫相手とすぐ再婚した場合、
結婚生活の中で家計を切り詰めてきたのは私の時代だけ。余裕のある生活は、再婚相手との生活になるわけです。
再婚しなくても、夫は給料を全て自分のために使えて、自由に楽しむことができます。
一方で私は、確実に今より切り詰めた生活を送ることになるでしょう。
不貞が原因なのに、なぜ私だけが苦労しなければならないのか——そう思うと、すぐに離婚する気にはなれません。
すぐには仕事を辞められない
離婚して遠方の実家に戻る場合、今の仕事は辞めざるを得ません。
また、近くにアパートを借りて暮らしたとしても、今の給料では生活できないので転職することになります。
今の職場は好きですし、離婚がなければ65歳までそこで働くつもりでした。
なのでなるべく長く働きたいし、仕事内容の都合上、急に辞めることはできません。
不貞の証拠の有効期限が3年
不貞の証拠として法的に有効なのは3年間と聞きました。
そのため、3年以内であれば証拠を活用できると考えています。
3年あれば貯蓄が増え、離婚後の生活費が増える
この3年間、貯蓄率を上げて財産を増やせば、今すぐ離婚するよりは離婚後の生活費に使えるお金が増額します。
こうした複数の理由から、私は総合的に判断して「3年後に離婚する」と決めました。
離婚後の生活場所はどこにするのか
離婚後の住まいは、近くのアパートを借りるか、実家に戻るかの二択になります。
実家は母が一人で暮らしており、母が亡くなった後は後継者がおらず売却するしかない状況です。
アパートを借りれば当然、居住費がかかります。
一方、実家に戻る場合は固定資産税や修繕費、リフォーム代などの負担があります。
母は高齢で、今はなんとか自立して暮らしていますが、近いうちに介護が必要になると思われます。
私自身もできる限り手助けしたいという気持ちがあります。
また、実家には畑があり、その世話をすることは苦にならず、むしろ好きです。
居住費を総合的に考えると大きな差はないため、離婚後は実家で母の介護や畑の世話をしながら、のんびり過ごしたいと思い、「実家に戻る」という選択をしました。
不貞慰謝料を誰から取るのか
不貞の慰謝料を請求できるのは、証拠が揃っている相手のみです。
私の場合、証拠があるのは一人の女性だけ。
他にも関係を疑われる女性はいましたが、証拠がないため請求はできません。
調査当初は相手からも100万円くらいは欲しいと思っていました。
しかし、不貞慰謝料の上限である300万円は、夫と相手女性を合わせた合計金額だと説明を受けました。
正直、女性本人から取りたい気持ちもあります。
しかし、やり取りや交渉の煩わしさと、それに対しての予想できる夫の反応を考えると、夫のみから慰謝料を請求する方が現実的だと判断しました。
不貞慰謝料、離婚慰謝料のどちらにするのか
<不貞慰謝料と離婚慰謝料の違い>
種類 | 内容 | 請求できるタイミング |
---|---|---|
不貞慰謝料 | 不倫などの不法行為による精神的苦痛への賠償 | 不貞が発覚した時点で請求可能 |
離婚慰謝料 | 離婚に至った原因による精神的苦痛への賠償 | 離婚協議や調停、離婚成立時 |
この2つは両方を同時に受け取ることはできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。
不貞慰謝料の上限はおおむね300万円とされていますが、離婚慰謝料は状況や被害の程度によって、それ以上の金額を請求できる可能性があります。
そのため、私は「不貞慰謝料ではなく、離婚慰謝料として請求するほうが良いのではないか」と考えるようになりました。
離婚まで別居するのか、同居するのか
私の実家は遠方にあり、夫の実家は車で30分ほどの距離にあります。
そのため、もし別居するのであれば「夫が実家に戻ればいい」と考えていました。
しかし、別居になると、たとえ夫が実家に暮らすとしても生活費はそれぞれにかかります。
そうなると、今までのようなペースでの貯蓄は難しくなります。
そこで私は、次のような形を取ることを考えました。
「同居は続ける。ただし、夫が勝手に出て行くのは自由。
その場合でも、生活費はこちらできちんと受け取る。」
私は自分から出て行くつもりはありません。あくまで夫の判断次第です。
財産分与はどのくらいもらえるのか
知っている限りの夫名義の貯蓄、保険、持ち株をすべて洗い出しました。
そこに自分名義の貯蓄も加え、合計額を半分にすると、おおよその目安が見えてきました。
結婚以来、家計管理は私が一人で行ってきたため、この作業は意外とスムーズでした。
ただし、夫が自分で管理している口座だけは残高がわからないままです。
ネットで「離婚を決めた時点で財産分与ができる」と見たため、
私は「夫からの財産分与額を今の時点で決め、離婚時にその金額を支払ってもらう」という方法を考えました。
※後からそれは「できない」ということがわかりました。
年金分割の合意をどうやってとるか
年金分割は、結婚生活のほとんどを専業主婦または扶養内パート(第3号被保険者)として過ごしてきた私にとって、生活のために欠かせないものです。
これがなければ、離婚後の生活は確実に困窮します。
そのため、「年金分割の合意に必要な手続きに協力する」という内容の誓約書を作り、
夫に年金事務所へ同行してもらうか、または委任状を書いてもらい、私と娘で手続きに行く案を考えました。
さらに、公正証書を作成する場合は、その条項に年金分割の合意を盛り込んでおけば、
離婚後は私一人で年金事務所の手続きを進められるため、この方法も検討しました。
離婚後、金銭的に生活はできるのか
これは、離婚において最も重要な問題です。
熟年離婚をした女性が、その後金銭的に苦しい生活に陥るケースが多いことは、十分理解しています。
だからこそ、私は離婚後の生活費を確保するために、
「離婚する時期」「慰謝料」「財産分与」「年金分割」「同居・別居の有無」
といった条件を総合的に考えてきました。
離婚後の生活費の試算は、これまで数えきれないほど繰り返しました。
実家に戻れば、まずは仕事探しから始めなければなりません。
60歳の女性が今から働ける場所がどのくらい見つかるのか、そして得られる収入はどれほどなのか…。
もし職が見つからず、貯蓄を切り崩しながらの生活になった場合、どれほど資産が減っていくのかも試算しました。
母も高齢で、いつまで元気でいてくれるかは分かりません。
そのため、一人暮らしを前提とした生活設計を立てています。
築50年の実家はリフォームも必要で、その費用も考慮しなければなりません。
予定通りの貯蓄がこの3年間ででき、離婚時に夫が私の提示した財産分与に応じ、
年金分割も成立すれば――計算上は、なんとか細々と生活できる見込みです。
幸い、畑もあるので食費はある程度抑えられます。
とはいえ、やはり「仕事が見つかるかどうか」が最大のポイントです。
相手(二人)に対してはどう対応するのか
対象は、名前が判明している「竹原(仮名)」—ドライブデートや食事を頻繁にしていた相手—と、夫が週末に通っていた不貞相手の二人です。
探偵からこう言われました。
「慰謝料を請求しないにしても、相手と3者で会って示談書を書いてもらわないと、また繰り返しますよ。」
さらに、「もし必要なら私が立ち会います」とまで言ってくれました。
しかし、私はその場にいること自体が大きなストレスで、相手の女性に会いたくありません。
そもそも夫がその場に行く気がないと思っています。
仮に私が場所を手配して「○時に来て」と伝えても、来ないでしょう。
夫のプライドが高いことはよく知っています。
そのため、「会うか会わないか」ということに関しては、私自身も気持ちが二転三転しました。
それでも、一番の願いは「謝ってほしい」。それだけでした。
コメント