なんとしてでも、
年金分割の合意書と委任状にサインをもらいたい。
そのために、もう一度夫と話をする決意をしました。
ただ、ただお願いしても、素直に応じるはずがない──。
どうしたらサインまでたどり着けるのか、私は必死に考えました。
怒りは一旦、脇に置く。
下手に出てみよう。
そう決めて、こう切り出すことにしました。
「昨日は勢いで強い言葉を言ってしまって反省している」
「私はあなたと喧嘩がしたいわけじゃない」
「もっとお互い納得して、ちゃんと話がしたい」
そして、核心を伝えます。
「もう不貞のことは、あなたがしていないと言うなら、それ以上は追及しない」
「その代わりに、年金分割の合意にサインしてほしい」
不貞の事実は、夫が認める・認めないに関わらず、証拠はすでにそろっている。
複数回の女性宅への出入りの記録がある以上、万が一裁判になっても追及は可能です。
夫の不貞を認める言葉があればより有利になることは確実ですが、
夫の性格を誰より知っている私は分かっていました。
「一度認めていないなら、もう絶対に認めることはない」と。
そこを責めても、何も動かない。時間の無駄になる。
これから夫とその話をすることも、もうないでしょう。
でも、夫としては「もう責められたくない部分」でもあるはず。
そこに触れないことで、少しは動くかもしれない──そう読んだのです。
そして翌日。
私はダイニングテーブルに、二枚の書類を置きました。
- 年金分割の合意書
- 年金分割の委任状
その2枚を用意し、夫のいる寝室に向かいました。
▶ 前回の記事をまだ読んでいない方はこちら → Xデー④得たものと進まなかったこと──壊れた夫婦の交渉
▶ 続きはこちら →Xデー⑥年金分割をめぐる夫婦の攻防
※これまでの夫の裏切りの経緯は、裏切りの年表で時系列で確認できます。
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